お経のことば  

   

     「財法二施功徳無量檀波羅蜜… …」

 1月6日は寒の入りです。2月3日節分の前の日まで禅寺では寒行托鉢が行われます。

私も今から40数年前、九州のお寺にいるときこの寒行を経験しました。夕方暗くなるころ

お寺を出て右手の鈴を鳴らしながらお経を唱えて歩きます。日蓮宗の人達は法華太鼓を

たたきながら、『南無妙法蓮華経』と唱えて歩きます。私の場合はほとんど流しで、ただ

歩くだけでしたが、檀家の家の前では門口に立って短いお経を唱えます。そのころはまだ

そういう風習が残っていましたから、子供たちは小銭やお米を持って『上げもそー』と言って

追いかけてきます。私は立ち止まって胸に掛けた箱にお金を入れていただきます。

そしてその時唱えるのが「財法二施功徳 無量檀波羅蜜 具足円満乃至 法界平等利益」

という喝文です。つまり布施していただくお金や物(財)そしてもらう側の行(法)これは共に

布施であるわけですが、その心がこの世の中に充満すればその利益は計ることのできない

大きな功徳である。というような意味になります。

 私もかつてこの寒行で経験した布施の心はその後の人生観に大きな影響を受けたと

思っています。たとえ1円でも、その「上げもそー」という気持ちが大きいのであって、

金額の多い少ないではないということです。貪ればいくらあっても足りない、分かち合えば

たとえ少なくても余る。ということです。

                 

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